透明草子

百鬼夜行からはぐれてしまったので、仕方なく人間に擬態している

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

無題

僕はいったいどこに向かっているんだろう立ち止まりたいと思っていても歩き出せずにいても時間はこころを置き去りに流れ、望んでもいない未来に押し流されていく。水の入ったビンの中で希望を失って沈むのを待つラットのように、僕は流されている。アルジャ…

短文

窓の外に手を伸ばしたときに触れる、雨雫の分子と手の皮膚の細胞。 もしもこの二つを作る原子うちのひとつとひとつが、宇宙のどこかで恒星が爆発した時に一緒に生まれた原子だとしたら運命的な再開だと思う。 そしてまたつたい落ちて離れていく。 誰かの傘を…

好きなものについて(加筆中)

好きなものについて そのうち個別により詳しい感想を書きたい ①小説 透明感があり孤独感や喪失感を滲ませる小説が一番好き ▶︎インディアナ・インディアナ(レナード・ハント) 砂が溢れるように掌から時間や温もりが溢れていく感覚。凍った記憶の数々が少しず…