無題
僕はいったいどこに向かっているんだろう
立ち止まりたいと思っていても歩き出せずにいても時間はこころを置き去りに流れ、望んでもいない未来に押し流されていく。
水の入ったビンの中で希望を失って沈むのを待つラットのように、僕は流されている。
アルジャーノンに花束を手向けたって何にもならない。
ビンの中のネズミは実験の後どうなったんだろう。
どこかの海岸に瓦礫と一緒に打ち上げられるくらいなら、と思いながら魚のえさになるのはこわくて、水を飲む勇気も出ないまま流されている。自分の思ったことをやりたいことを言うことさえできない。こわいから。
僕たちはみんな漂泳生物(ぺラゴス)、中でも水の流れに抗えないものを浮遊生物(プランクトン)という。
光る魚を追いかけて深みまで泳いできて、それが幻想だったと知ったときにはもう遅かった。